看護師の採用について(どうすれば看護職の定着と確保が図れるか?)
投稿日 20171203
投稿者 T.K
1)A病院では平成25年度までは順調に伸びていた看護職数が、平成27年度に減少に転じました。さっそく病院長をリーダーとして「看護師定着・確保対策プロジェクト」を立ち上げ、諸施策を講じました。
2)当然のことながら諸施策のうちで最も実効があったのは「退職の抑制」であり、看護局長のリーダーシップのもと、看護師長以下が退職希望者に対して熱心なカウンセリングを行ったこと等が奏功し、退職者数は下表のように減少しました。
退職理由 |
H25 |
H26 |
H27 |
H28 |
他病院へ |
28 |
29 |
15 |
8 |
自己都合 |
11 |
8 |
6 |
0 |
帰省・転居 |
9 |
6 |
11 |
8 |
育児・介護・家庭事情 |
2 |
5 |
3 |
8 |
結婚・夫の転勤 |
9 |
8 |
10 |
7 |
体調不良・体力低下 |
0 |
1 |
1 |
6 |
通勤困難 |
0 |
0 |
1 |
3 |
進学・留学・転職 |
1 |
2 |
4 |
1 |
定年・契約期間満了等 |
6 |
10 |
8 |
10 |
計 |
66 |
69 |
59 |
51 |
3)プロジェクトとして講じた対策は下記のとおりであり、その結果、平成28年度以降は看護職数は再び増加に転じました。(下表のコスト・効果・評価はプロジェクトの自己評価です。)
対策名 |
内 容 |
コスト |
効果 |
評価 |
①紹介会社を使った採用 |
紹介料は年収の20%、採用後の早期離職抑制 |
大 |
大 |
A |
②看護補助職の採用を強化 |
嘱託職員として採用、看護補助体制加算獲得 |
大 |
大 |
A |
③看護職給料表の改定 |
初任給と師長級を重点的にベースアップ |
中 |
小 |
C |
④優秀層の育成・昇格・昇給 |
人事評価を通じて若手優秀層を抜擢 |
中 |
小 |
C |
⑤退職希望者との個別面談 |
働ける方法や条件を相談し、柔軟に対応 |
小 |
大 |
A |
⑥学生向け奨学金制度の拡充 |
院外の看護大学学生に月額10万円を支給 |
大 |
大 |
A |
⑦採用HPリニューアル |
スマートフォンで見学等の申し込みができるように |
中 |
中 |
B |
⑧募集パンフレットの刷新 |
先輩職員を多く登場させ学生が知りたい情報を |
中 |
中 |
B |
⑨保育体制の改善と拡充 |
院内に病児・病後保育室を設置等 |
大 |
中 |
B |
⑩高校生向けの職場体験 |
高校生に当院への就職に興味を持ってもらう |
小 |
中 |
B |
⑪若手リーダーの育成 |
やりがいをもって業務遂行できるリーダーを育成 |
小 |
中 |
B |